「原発の国負論」の概要は以下の通りです。
日本の電力総供給能力は、一年当たり約2.5 兆kWh。原発ゼロで約2.0 兆kWh。一方の需要は、一年当たり1.0 兆kWh を超えたことがない。従って、原発が無くとも電力供給能力は1
兆kWh 余っている。2050 年のエネルギー需要は、約30%減少することが予測されている。つまり、日本では代替エネルギー論は、必要不可欠の議論ではない。原発が如何に日本経済に壊滅的な打撃を与えることになるかは、そのコスト(電気代)をみれば明らかである。原発による電気代はゴミの処理費を入れると超天文学的なコストとなる。ゴミ処理をコストに含めた電気代は、約5
万〜50 万円/kWh となる。だから原発は経済にとって極めて大きなマイナス要因である。日本経済の原発依存度(エネルギー消費に占める割合)は、最大でも5%以下しかない。それに対し化石燃料依存は95%以上である。従って、原発が無くなった場合の事を心配する前に化石燃料依存の脆弱な経済体質の方を心配すべきである。本当に必要な議論は、むしろ日本人が一人当たりの生存に必要なエネルギーの約50
倍(アメリカは約120 倍、世界平均は約20 倍)もエネルギーを消費している生活様式の変換の議論である。
今日本は、歴史を逆戻る国(民主国家から君主国家)になろうとしています。日本の政治家は、憲法96 条を改正しそれに縛られている人々(国会議員、公務員、裁判官等)を解放し、国民を再び"臣民"にしようとしています。つまり、国民の主権を放棄し立憲主義を崩壊させることです。国民の主権が無くなれば、国民に原発のゴミ処理代を支払わせても国民は文句が言えません。これは、原発のゴミ処理を無視して原発推進してきた人々にとって、責任回避をする上で好都合です。
既にある原発のゴミは、2011 年のエネルギー白書によれば、使用済み核燃料が約13,000トン、低レベル放射性廃棄物が約20 万トンです。これ以外に、約10
万トンの研究所放射線廃棄物とこれから始まる原発解体ゴミがあります。プルトニウムも約146 トン民間に在庫しています。13,000 トン(本来なら約3
万トンの使用済み核燃料があるはずですから、半分ぐらいは民間投棄か海洋投棄された可能性がある)のお守は約百万年です。この金額に限っただけでも日本のGDP
の約200〜2000 年分に匹敵します。
使用済み核燃料のゴミ代は、以下の通り計算されます。{13,000 トンx 1 千万円/トン/年x 100 万年}/600 兆円= 200 年分です。この処理貯蔵費が、一千万円でなく一億円/トン/年となれば、使用済み核燃料のゴミ代は日本のGDP
の約2000 年分です。使用済み核燃料をトン当たり年間1 億円以下で管理する事は極めて困難と考えられます。ですから子孫の為原発の国負論にまともに使用済み核燃料を管理するとなると、日本は収入ゼロの状態を約2000
年間耐え忍ばなくてはなりません。
真面目に考えると、日本は既に200〜2000 年分のGDP 分という返済不能な借金を背負って破綻しています。そんなお金はありませんし何処からも出てきません。その結果、日本国民はこれから"体"でこの負債を返済することになります。一言でいうと、放射能に対する国民のリスクの増大を大幅に許容し国民に被曝に耐えてもらう事になります。既に暫定値は、20mSv
という法律に定められた許容量1mSv の20 倍になっています。水は、10 ベクレル/リトッルとアメリカの約100 倍高くなっています。福島の子供の20%を調査した結果によると約半分(43.6%がA2
判定以上)に甲状腺異常が認められました。福島の子供の約70%の血液調査の結果は、恐らく壊滅的な結果であった為に未だに公表されていません。
この問題に対する解決を見出す可能性(放射性物質は人里から遠く離す以外に科学的な解決方法は無いと言われている)があるとすれば、それは真実を明らかにした上で、国民的な議論を展開し、その中から解決を模索するという方法をとるしかありません。しかし、今の日本では、当事者は事実を隠蔽しています。真実をありのままに見つめようとする国民の意識は希薄です。国会議員は何の科学的な根拠もなく経産省(公務員)の言いなりになっています。監視役のマスコミは真実を追求するという姿勢を放棄して、監視どころか時の政治との会食を重ね、政治家に迎合するばかりです。
国民に主権があっては、強引に国民の健康が無視・放棄されるような、使用済み核燃料の処理はできません。使用済み核燃料は、結局人の健康被害を無視して捨てるしか今のところ方法がありません。従って、明治憲法の時のように、国民が君主(政治家やごく一部の利権者)に支配されている方がやりやすいのです。この結果日本は、放射能に汚染されることになるから、賢明な君主は、日本を捨てて外国から臣民を統治する事になります。このような事が想定される国に未来は無いように思います。
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