宗教者九条の和

The Third Asia Inter-Religious Conference on Article 9 of the Japanese Peace Constitution
9条アジア宗教者会議 Article 9 and Peace in Asia
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蜜柑と茶、名水の島を軍事基地にするな!
2011・12・5 - 8

 まさに百聞は一見にしかずの言葉の通りのチェジュド(済州島)ソンギボ(西帰浦)市カンジョン(江汀)村訪問でした。今年10月5日〜7日沖縄で行われた第3回「9条アジア宗教者会議」参加者一同が韓国政府に対して、海軍基地の建設が進められている済州島江汀村の基地建設中止と、拘束中の村民と平和活動家の釈放、村民との対話の再開を要求することを決議しました。
 この決議に基づいて結成され12月5日〜7日、済州島国際諸宗教連帯訪問団によるまでカンジョン村への訪問でした。訪問団は香港、台湾、米国、カナダ、韓国の15名、日本から上田博子(日本キリスト教協議会)小林真(日本督教団)野口陽一(庭野平和財団)武田隆雄(日本山妙法寺)後藤正史(カトリック正平協)、大倉一美(カトリック正平協)の6名の21名でした。
 12月6日午前9時半からカンジョン村の青年会館で基地反対運動について村の副会長からお話がありました。カンドン キュン村長は他の二名とともに2011年8月24日から94日間逮捕拘束されて11月23日にチェジュ地裁から釈放されたこと、とても払うことができない総計2億ウオンの罰金が課せられていること、基地設置問題は2007年に始まり、1020人の村民のうち秘密裏に当時の村長と85人が賛成したということで、村が基地建設を受け入れたとして、知事命令で設置が許可されてしまいました。
それ以降、現村長と95%以上村民が正当な法的手続きすら経ていない基地建設計画、工事続行は決して認められないと反対運動が粘り強く今日まで続いていることを国際担当の女性による報告で聴聞しました。
 この日は世界自然遺産である海岸のクロンビー岩を爆破する工事の中止を求めて警察署長と面談をするためにカン村長は出かけていました。この基地建設は韓国政府、韓国海軍、そしてサムソン(三星)社の三者によってチェジュ島民の意志を無視して行われています。
 私たちは10人の司祭たちによって路上ミサが行われている基地建設現場前まで行きました。このミサは基地建設中止になるまで毎日、「チェジュ平和の島実現のためのカトリック連帯」(韓国の3500名の司祭・修道女たちが参加)が全面的に支援しています。週三日はチェジュ教区、週三日はチェジュ教区以外の教区の運営によりミサが捧げられています。支援運動はカトリックから始まり、今年の春頃から韓国内の諸宗教や市民運動に及び、さらに国際的な支援運動へと大きく広がっています。
 ミサ後、同じ場所で基地建設反対緊急集会が行われました。それは警察署長が村長との面会の約束を無視して面談が中止になったことことから急遽、抗議集会となったからです。集会の中で私たち訪問団が紹介され、村長がこれからの反対運動にとって大きな希望が生まれたと感謝の辞を述べられました。訪問団は支援カンパを村長に手渡しました。
 集会後に一行はバスで軍港設置予定現場が目の前にある埠頭に行きました。白い塀で囲まれ既に工事が進められている現場、2007年ユネスコによって環境保全地域、世界遺産、そして世界ジオパークに認定されている希少な珊瑚礁や玄武岩がみられ、絶対保護が求められる環境保全地域を直接目にして、辺野古の状況と全く同じだと思い心がとても痛みました。
 済州道道庁でムン・デリムチェジュ道議会議長と面談を行いました。議長は海軍基地建設に対する手続き問題を指摘し、政府の一方的な事業推進に対する不満を露わにしました。議長は「三八度線と最も遠く離れた南端に、それもカンジョンに海軍基地がなぜ建設されなければならないのか。政府はチェジュになぜ海軍基地が必要なのかについての説明が錯綜している」と指摘し、続いて「法的な手続きを政府が守らなかった。カンジョン住民の理解と同意を求めるために、正常な手続きを何ら取らなかった。宗教指導者の皆さんがカンジョンで見て、感じたことを全世界に広げて欲しい」と要請されました。
 チェジュを発つ前に済州4・3平和公園を見学しました。この公園は民間人虐殺と済州民衆の生き方を記憶し追念するための平和・人権記念公園です。私は後藤神父、武田上人と共にチェジュ教区長の姜禹一(カン・ウイル)司教を訪問しました。済州島に来る人はぜひ、この4・3記念館に立ち寄って欲しいと語っておられました。姜禹一司教はチェジュ教区長として、また韓国カトリック司教協議会会長として、海軍基地建設反対運動の先頭に立っておられます。私はこの度のカンジョン村訪問のことを話し、2012年にはカトリック正平協が支援連帯訪問すること、また、チェジュの正平協との連帯を約してソウルに発ちました。ソウルでは韓国キリスト協議会(NCCK)の議長と私たち訪問団との間で懇談会を持ちました。最後に、記者会見を行って訪問団は帰国の途につきました。
 
 



  済州島連帯訪問声明

  蜜柑と茶、名水の島を軍事基地にするな!

  韓国チェジュ島記者会見



3回 9条アジア宗教者会議 |開催日程||趣意書||報告会開催日程
3回沖縄声明文 | |決議文・済州島江汀村に平和を!|キリスト新聞掲載記事(2011/10/22)

済州島国際諸宗教連帯訪問と声明  | | 蜜柑と茶、名水の島を軍事基地にするな!
韓国チェジュ島海軍基地建設に反対する記者会見


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